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バリ島現地情報コラム・バリマニア  ウブドのドクターワヤンによるバリ伝統治療
ドクターワヤンバリニーズトラディショナルヒーリングセンターの店先

バリでは、素敵な雰囲気のホテルスパやサロンで受ける自然派トリートメンがたくさんあるけれど、今回は、植物を用いて伝統的治療が受けられる、ウブドのバリニーズトラディショナルヒーリングセンターを紹介してみます。
最近は日本の雑誌にも掲載されたりと、ひそかに有名になってきているようです。
場所は、ウブドのラヤウブド通りの東側、ジュンバワン通りを曲がった郵便局の数件先。ウブド市場からも歩いていけます。 ローカル風看板で店先にはたくさんの植物(薬草)が置いてあるのが目印です。

ここのオーナー、ドクターワヤンは、4世代に渡るバリアン家系に生まれた、本人もバリアン(どちらかというとドゥクン=ヒーラー)です。 以前、デンパサール、パヤンガン(ウブド)などで診ていましたが、現在ウブドのこの場所にお店を構えて4年になるそうです。
ドクターワヤンは、バリの伝統的な薬学治療の知識が豊富で、お客様の体調に合わせたマッサージを施し、ジャムゥや、ヘルシーフードを作ってくれます。 とっても気さくなバリのお母さん的な雰囲気でした。

バリニーズトラディショナルヒーリングセンターの店先 バリニーズトラディショナルヒーリングセンター店内 バリニーズトラディショナルヒーリングセンター店内
店先の薬草には、英語で名前と効能が書かれています。1階の店内はカフェとしても利用でき、乾燥させた薬草を保存、市販の粉末、錠剤ジャムゥも置いてありました。

お祈りをするドクターワヤン ●ドクターワヤン式・健康診断
今回、生理不順ということでお伺いしてみました。お店に入って、まずはドクターワヤンに悩みを相談。 色々相談しながら手相も見れるようで、仕事、結婚などの現在の手相も教えてもらいました。そしてメモ紙を差し出だされ、(日本&バリでの)住所と名前を記入。
プランキラ(祭壇)に向かって線香を手にもち、その紙に書かれた住所、名前を読み上げます。(神様に私の事を紹介し、お伺いをたてているのでしょう。)
その後、こちらに向かって線香を仰いだ手を、私の身体にかざし、足から手先、頭まで全身をチェック。
健康状態を身体のパーツごとに紙に書き込んでいきます。バリアンらしい診察だ。
そして、言われたことは、「血行不良、水分不足、カルシウム不足、肉体疲労、血液が汚い、ガスがたまっている、肉は控えめに、糖分摂取はこのままでOK」とのこと、100%健康ではなさそうな感じ。
生理が定期的にちゃんとくるように、「まずは健康に。運動し、夜ご飯は少しにして。」要はダイエットしなさいということですね。

フレッシュなジャムゥフレッシュなジャムゥ

●調合ジャムゥを飲む
次に、アシスタントがその場でウコン(インドネシア語:クニット/英語:ターメリック)をおろしてくれ、その場でフレッシュなジャムゥ(多分ウコン、蜂蜜、ライムなどを混ぜたもの)を頂きました。
泥水色じゃなくて安心。意外にもごくごく飲み干せてしまいました。ウコンは見た目は生姜っぽく、中はオレンジ色で、ジャムゥといえば一番に使われる材料です。一見オレンジジュースっぽいですね。
ウコンは、血液をきれいにし、コレステロールを低下させるので、高血圧、心臓病によいそう。また胃腸の調子も整えるので便秘気味の方にもよいらしい。
「Apista」という日本の雑誌。アジアのスパが掲載されていて、2ページにわたって、ドクターワヤンのバリニーズトラディショナルヒーリングセンターが紹介されていました。

全身解毒全身解毒 ●全身解毒
ジャムウを飲んで、さて2階へ。椅子に座り、アシスタント数人で、お湯で浸したシリーの葉を足、手、おなか、顔にくまなくこすりつけてくれます。(体中薬草くさくなりました)
シリーは、ハーブの一種で、色々な用途に使われる万能ハーブです。 (日本語:キンマ)お湯をシリーの葉と一緒に煎じて飲むと、脂肪吸収を抑制し、身体に擦り付けると、消臭、雑菌予防となるそうです。 解毒効果のあるシリーで、顔にある吹き出物などを解毒し、調子を整えてくれるのでしょう。
足にはバンウコンを石臼ですりつぶしたものも塗ってくれます。(スパ用語で言えばボレですね。)しばらくして乾けば掃ってもらって、またシリーを。 数人がかりで雑談しながらですが、とても丁寧にもういいってくらいにやってくれ、少し贅沢なかんじ。
バンウコンは、身体の凝りや疲労をとり、血行促進する効果があるそうです。なのでバンウコンパックの後は足がぽかぽかしました。
●トラディショナルマッサージ
全身シリーで整えた後は、やっとマッサージ台へ移動します。
マッサージ担当は男性アシスタントで、ところどころDr.ワヤンもやってきてマッサージをしてくれました。 (他のお客様もいるので、かけもちできりもり)やっぱり女の子より男の子の方が力があっていいですね。
左右に分かれて二人がかりで交互に、時にはロングストロークでと、これまた丁寧。
恐らく1.5時間位マッサージしてくれていたと思います。ここはマッサージベットは2台しかありません。
●薬草マンディ
ドクターワヤンがいいというまでマッサージが続いた後は、たらいと手桶を使ったマンディ(水浴び)です。
1階の台所裏にあるいわゆるバリスタイルの水浴び兼トイレへ。
「さあ入って」とアシスタントの女の子も一緒に入り、パンツを脱いで身体全身をお湯に浸ったシナモンとシリーでにごったお湯を身体にかけ、またもや女の子が丁寧にシリーの葉で身体を洗ってくれます。
ちょっと恥ずかしいですが、男性客にも同様にしているとのこと。(少し驚き)

●バランスの取れたヘルシーフード
マンディの後の最後の締めくくり、ヘルシーフードです。 パナナの葉を使ったお皿の中には、8種類のヘルシーフードで海藻、テンペ、トマト、パパイヤ、ココナッツフレーク、シリーの葉、ピーナツソースのもやし、赤米と、ビタミンABCDEF、カルシウムを摂取できるというまさに健康食でした。 ドクターワヤンがそれぞれのおかずを指差して成分を説明してくれます。(一気に言われてわかりませんでした)

●体調に合わせたジャムゥをお土産に
食事をしながら、ドクターワヤンから色々話を聞き、家に帰ってから飲むジャムゥを用意してくれます。そしてこれらのジャムゥを持って祭壇に行き、お祈りをしてくれました。 「これが無くなったら、近くのジャムゥ屋で同じものを買って飲めばいいんですね?」「私が渡すのは、市販のものとは違う、お祈り入りだから」とのこと。1-2週間分程の量です。5種類のジャムゥと蜂蜜、ライムなどを持たされました。

前述の手相について、実は喜べないことも正直に言われ少しへこんでいたのですが、ドクターワヤンいわく、手相は6ヶ月もたてば変わる、変えられる。あくまでも現在の状態。といわれたものの気になります。
アシスタントにそのことを言ったら、「神様の言うことじゃない、所詮人間の言うこと、それほど信じなくていい。例えばアチェの震災で何千人という人が死んだ。彼らの手相はみんな同じ運命だったか。」と励ましてもらい、そりゃそうだと気持ちを切り替えました。

なんだかんだで、問診+トリートメント+食事で、3.5時間程滞在しておりました。
料金はお客様の症状により異なり、私の場合で30万ルピアでした。
身体の調子が悪いときは、市販の薬に頼らず、まずはドクターワヤンを尋ねてみてはいかがでしょうか。
ドクターワヤンはインドネシア、バリ語以外に英語も話せます。
ここでは予約はあまり意味がなさそうですので、時間に余裕を持っていきましょう。
今回の体験はフルコースでしたが、ジャムゥを飲むだけ、マッサージだけ、といったこともでき、ドクターワヤンを頼ってウブド在住外国人も足しげく通っているようです。
雰囲気の良いスパでのトリートメントもいいですが、こんなローカルスタイルのお店でトータル的に治療してもらうのもいいものですよ。

Balinese Traditional Healing Center(バリニーズトラディショナルヒーリングセンター)
MS WAYAN Nuriasih
Jl.Jembawan No.5 Ubud(ウブドの郵便局の数件隣)
TEL:0361-7426189、0361-8843042、081-933-017155 OPEN:09:00-20:00

第41話 2006/12/03