ティルタ サリ TIRTA SARI
ティルタサリ楽団は、1978年、バリ舞踏界今世紀最高の演出家とうたわれたプリアタン村プリ・カレラン家のアナック・アグン・グデングラ・マンダラ翁によって創設されました。
翁自身も素晴らしいダンサー&演出家でありましたが、また、当時廃れかけていた、「愛の神」のガムラン、スマイル・プギリンガンの復活にも尽力をつくし、本来王の寝所のための音楽として使われていたというその甘い音色と、プリアタン村に古くから伝わるレゴン舞踊とともに、ティルタサリは一躍世界的なグループとなりました。
運営は現在翁の息子のうち、A,Aグデ・バグース・マンダラ・エラワン氏とA,Aグデ・オカ・ダラム氏に引き継がれ、バリ島内での評価はもちろん今までに日本、アメリカを始めとして数多くの海外公演を成功に導いています。
日時:毎週金曜日19:30-21:00
演目:レゴンダンス
1 インストゥルメンタル スカール・ゲンドゥ
20世紀中頃に活躍した作曲家、イ・ワヤン・ロットリング作曲による器楽曲。
2 プスパ・メカール
古典舞踊劇ガンブーの侍女役、「カカン・カカン」の踊りをヒントに人々を歓迎し祝福するために作られた踊り。
3 レゴン・ラッサム
バリ舞踊といえばレゴンダンスといわれる程有名なレゴン舞踊。
今まで数多く作られたレゴン舞踊の中でも最もポピュラーな演目がレゴン・ラッサムです。
内容は、チョンドンと呼ばれる侍女役の華やかな踊りで始まり、その後、レゴンの二人による物語へと続きます。
黄金のトンボを追ううちに森に迷い込んでしまったジャワ島ダハ王国の王女ランケサリは、それを見つけたラッサム王子に保護されます。
ランケサリ王女の美しさに強く惹かれたラッサム王は何度も求婚を試みますが、王女には既にパンジ王子という婚約者がいた為に、頑なに拒否されてしまいます。
絶望のうち、ラッサム王はダハ王国に攻め入る決心をします。しかしその時、神鳥ガルーダが現れ、戦場で王を待つものは死であると予言します。
王はそれを振り切り、死の待つ戦場へと出陣していきます。
通常では、1時間程かかかる演目を、ここでは20分程に再構成して上演します。
4 クビャール・トロンポン
20世紀中頃に活躍したタバナン出身の天才舞踏家マリオの作となる舞踊。
男性ではありますが、女踊りを得意としていたマリオが、女踊りの衣装で「クビャール(閃光、稲妻)」スタイルの曲に合わせて即興で踊った「クビャール・ドゥドゥック」という座りながら踊る舞踊を基にし、「クロンポン」という楽器を演奏しながら踊る部分を加えたものです。
高度な舞踊の技術に加えて中性的な表現、楽器演奏者としての素養も必要となります。
5 レゴン・ジョボック
インド起源の古典文学「ラーマヤナ」の中からスバリとスグリウォという兄弟のエピソードをレゴン舞踊に仕立てたものです。
元々人間だった兄弟は、ある争いがもとでサルに姿を変えられてしまいます。ある時、二人が洞窟に逃げ込んだ魔物を退治しようと、まず兄のスバリが洞窟に入っていきます。
スバリは格闘の末に魔物を退治する事に成功しますが、兄が負けたと思い込んだ弟スグリウォによって洞窟に生き埋めにされてしまいます。
なんとか脱出したスバリは、弟が自分の国と妻を横取りする気でいると疑い、兄弟の戦いが始まります。
6 バロン
百獣の王であり、森に代表される力の象徴でもあるバロンが猿と戯れている場面から始まります。一方神の国ではシワ神が病に冒されていました。
その薬を手に入れるため、シワ神の妻ウマは、侍女達に命じ、特別な力を持った木を地上の森に探しに行かせます。
魔物チュルルックに姿を変えた侍女達は豚と戯れているところをウマに怒られたりしますが、ついに薬の材料となる木の精バロン・ブルトゥックのいる森にたどり着きます。
チュルルック達は木を切り倒そうとしますが、怒った木の精は冒頭に登場したバロンに姿を変え、怒ってチュルルック達を追いかけます。
しかしそれを見たウマは自ら魔女ランダに姿を変えバロンと対峙します。
バロンの手下の兵達が登場し、ランダに剣を突きつけますが、ランダの魔力によって逆に自らの体にクリスを突き立てることとなります。
最後は再びバロンが登場し、兵士達を清め、舞台から去っていきます。